【千葉県君津市 三澤様邸の紹介】
素足で感じる木のやさしさ。奥様と7回やり直した納得の間取り。
信頼関係を構築してからつくる施主と施工業者も満足な家づくり
バスフィッシング、キャンプ、ボート遊び。目を覚ませばベッドルームの大窓に、紅葉の名所、亀山湖畔の山々が広がる。千葉県君津市に建てられた、三澤さんご一家のお宅を訪ねました。玄関に一歩足を踏み入れると、立体的な木目を感じられる天然木のフローリング。スリッパをご用意いただいているけれど、三澤さん方は素足です。
お施主インタビュー | 亀山湖 |
「この家になってからスリッパは履かなくなりました。素足のほうが気持ちいいから」 奥様の真弓さんの言葉に納得。そうだろうなあ~家中どこでも足の裏で木のぬくもりを感じられる贅沢。私もスリッパを脱ぎ裸足になって木の感触を楽しみたいと感じた!
隣接するキャンプ場 | リビングと吹抜 |
三澤さんご一家のご主人・圭一郎さんは、同じ敷地内に住むご両親と亀山湖畔で、ペンション「湖畔の宿 つばきもと」を経営。奥様の真弓さんは、看護師。お二人の間には1歳半の縁士(えにし)君。
縁士君 | 湖畔の宿 つばきもと |
- 所在地:千葉県君津市草川原
- 居住者構成:夫婦+子供1人
- 専有面積:119m2(36坪)
- 間取り:3LDK+ガレージ(32m2)
- 竣工年:2016年
『住宅展示場を見て回っても、自分の中に知識がないから、どれがいい家なのか判断できない』
<住宅購入の背景>
「初めての勉強会はこの子のつわりが終わるか終わらないかの頃でした」
「まだ縁士がお腹の中にいた2014年8月、第一回の勉強会に夫婦で参加しました」
家を建てようと思われたきっかけはなんでしょう?
実家住まいだったので、結婚したら家を建てようと決めていたんですね。式を挙げてから半年ぐらいで家造りを検討し始めました。実家の一部と納屋を取り壊してそこに建てる予定でしたので、土地探しはありませんでした。
納屋 | 母屋 |
どうやって探されたんですか?
展示場やハウスメーカーをかなりの数まわりましたね。ただ実際に家を見て回っても、どれがいい家なのかが判断できないんですよね。自分に家造りの知識がないし、そもそも判断基準がない。それにハウスメーカーでは営業マンは自分の会社の良いところを言うだけだから信用ならないなって(笑)だって、見学した2社のハウスメーカーが、互いにライバル会社の悪口を言いながら、自社の建物がいかにスゴイかって持ち上げているんですもん。こりゃ本当の事なんか分からないなって思いましたね。これなら他のメーカーをまわってもおんなじようなもんだろうなって不信感が募りました。
周りの方で家を建てている方はいらっしゃいましたか?
同級生で先に家を建てていた友人もいたので彼らにも聞きにいきました。「うちは◯◯ホーム」「誰々が◯◯ホームで建てたよ」と。当時は漠然と、そうした候補の中から選んで建てることになるのかなあと考えていました」
「どこで建ててもらおうか」から「どんな家を建てたら良いか」へ
<CMシステムとの出会い>
CMシステムと出会うきっかけはなんだったのでしょう?
冬場は仕事の閑散期なので、日中、インターネットでも探していました。はじめは家を建てるハウスメーカーや工務店探しもしていましたが、次第に家造りの情報を多く探すようになりました。「どこで建ててもらおうか」という探し方から「どんな家を建てたら良いか」という自己流の勉強に変わりました。そんなとき、CMシステムのWEBサイトを見つけたんです。
CMシステムのどのあたりが目に留まったのですか?
インターネットで家づくりの失敗談をよく見ていたんです。当時最も気になっていたのが、ハウスメーカーから現場監督や職人まで、みんな身内で固められていたというお話。価格を釣り上げられたり、業者側に都合のいいように丸め込まれてしまうんじゃないかなっていう疑念もありました。その時にCMシステムのWEBサイトを見て、一つの方法として施主が各工事店へ直接発注する分離発注の話を聞いて、ピンときました。CMシステムは旦那が探し出してきたんです。いろいろプリントアウトして、説明はしてくれるんですけれど私にはよくわからなくて・・・はじめ妻は怪しんでいたと思います。信じてなかったでしょ??
(奥様)とても怪しんでました!!(笑)
私がなんとなくWEBで理解した内容を、説明してももちろん上手く伝えられない、そこで夫婦二人で勉強会に参加することにしました。
千葉での連絡先がわからず鹿児島へ連絡したのですね。
はじめはエリアが違うのでダメかもと思い、同じようなシステムを千葉県でもやっているところがないか探したんですよね。でも、やっぱりCMシステムのことが気になって問い合わせました。「エリア外でも相談に乗ってもらえますか」って。そうすると鹿児島の上野さんから、施工可能ですとお返事があり、神奈川の伊藤さんをご紹介いただき勉強会となりました。
初めての勉強会はいかがでしたか。
CMシステムで建てるか建てないかは関係なしに、無料で家づくりのことを勉強できるならいいね、というつもりで神奈川の横浜まで行きました。やっぱりはじめはドキドキ。どんな人が来るんだろう?何者が来るんだろうって(笑)勉強会といっても私たち夫婦と上野さん、伊藤さんでマンツーマン。みっちり3時間ぐらいやりました。CMシステムの説明にはじまり、今の住宅業界の流れのこと、建物の構造のこと、それから保険のこともエコのことも。
(奥様)私は申し訳なかったんですけど、つわりで体調が悪くねむかったんですが、旦那はもう興味津々(笑)
「うん、これだ!」って。
どのあたりに「これだ!」って思ったのですか?
いくつかあったのですが、なかでも「原価公開」、「分離発注」というスタイルです。これなら失敗談で読んでいた業者同士の癒着のような、ウラがないんじゃないかな、っていう安心感が高まりました。それと、普通のメーカーさんだったら「勉強会」と言いながら、やっぱり予算と具体的な間取り話で営業にかかってくるところを、CMシステムの勉強会ではそんなことがまるでなかったんですよね。帰るときにはまた話を聞きたいなって思いました。
そして2回目の勉強会に入るわけですね
次の打ち合わせ日も強引に決められるようなこともなかったんです。様子を見ながらということで。それでメールでやり取りをしながら、2回目からは妻が妊婦だったので気を使って頂き、こちらに来てもらってやりました。それに建てる場所自体が決まっていたので、もっと具体的な話ができるようにと、現地調査もおこなって頂きました。
家まで訪ねて来られるわけですから、ともすると、勢いで契約に進められてしまうんじゃないかなって不安はなかったんですか?
「いえ、逆に『すぐには建てられません』って言われたんですよ。家づくりやCMシステムのことをもう少し勉強してからにしましょうって」なんか大手ハウスメーカーの営業さんと逆みたいですね(笑)勉強会はすべて無料でした。むしろ交通費払って来てもらってましたから。ぜんぶ勉強会が終わったら、他のハウスメーカーさんを見たり、見積もりをもらったりやってみてもいいですよって、そこまで言われました。一応、友人が建てたというハウスメーカーも行って話を聞きましたよ。感想は・・・きれいだなって(笑)営業の方との話がすぐに予算のことになり、具体的に建てるような流れに持って行かれて。。。ガツガツしてました。それが営業の方のお仕事ですから仕方がないんですけども・・・
「全部相談してました(笑)なんかあったら伊藤さんに連絡して全部解決」
<家づくり>
はじめの勉強会から契約にいたるまではどのぐらいの期間だったのですか?
妻の出産を間にはさんで翌年の夏なのでおよそ一年です。実は土地の条件が複雑で、役所に行くとたらい回しになるような状況だったんですね。誰に聞いたらいいのかわからないようなことも、伊藤さんに相談していました。結局、自邸より母屋を先に着手する必要があることがわかり、進めることになりました。伊藤さんには、うちのことだけでなく両親のことまで相談して、一家庭のことをまるごと見ていただいた感じです。家造り全体のコンシェルジュですね!
どんな家がいいと考えていましたか?
やっぱりここって冬がめちゃくちゃ寒いんですよね。山に囲まれていて。母屋も妻が住んでいた家も古くて、この部屋を暖かくしても、廊下に出て、お風呂に行くと寒い。逆に夏は暑いし、風通しも悪いし、エアコンはつけっぱなし。勉強会で断熱のことや計画換気のことを教えていただきながら、それらを取り入れたプランを作り上げていきました。そして原価計算書を作り上げるのも勉強会のテーマだったので、すでに建てたい家の全体像は具体的に見えていました。
「原価計算書」ってなんですか?
家造りに関わるすべての材料費や工賃を記入したものです。家に使う窓、建材を板一枚からすべて、材質がどれで、一枚いくら、というのを記入されていました。
「原価」っていいながら伊藤さんたちもどこかとグルになっていたら??
はは(笑)見積もりがメーカーや業者さんから直接出てきました。
(CMシステム神奈川 伊藤)実は私たちもラクなんですよ。業者さんから頂いた見積もりをそのまま「はいっ」て、お渡しするだけですからね。
施工した会社もすべてバラバラなのですか?
はい、地元の大工の棟梁さんが中心になって家をつくってくれました。まずはじめに顔合わせの会として「着工式」を行いました。
施主の私たち家族とCMシステムから上野さんと伊藤さん、実際に工事していただく大工さんや左官屋さん、板金屋さん、クロス屋さん電気水道屋さんなど皆さんに来ていただいて顔合わせをするんです。
私は施主として、この家に対する思いや、皆さまの工期中の安全のことなど、ご挨拶させていただきました。その着工式を行ってから工事に入りました。
他のお友達で家を建てられた方ってこんなことやっているんですかね?
やっていないでしょうね!
(CMシステム神奈川 伊藤)職人さんたちも顔合わせの会をやって、直接お施主さんの顔を見てお仕事ができるのはやりがいがあるんじゃないかな。誇りを持ってやってくれていたんですよね。モチベーションが違うんですよ。やっぱり心のなかでみんないい仕事したいって思っていますよね。お客様に喜んでもらいたいって。そして現場に入っていてお互いに顔を合わせた時に気軽に話ができますし。メーカーさんのお仕事だと現場で「お客さんと直接話をするな」っていうところですけど。作っていただいた職人さんたちも、みなさん地元の方だったんですよね。だから地元ならではのお話でお施主さんと盛り上がってましたよ。
工期中も見に来られましたか?
はい、母屋におりましたのでしょっちゅう見に行きました。その時でも着工式のおかげで皆さんと顔を合わせてお話ができたので、ところどころ大工さんが当初の設計からアレンジしてくれているんですよね。実際に施工途中で家の中で立ってみた時に、こうしたいという要望や、こうした方がいい、というアドバイスも出てきて、変更をしていったんです。
(インタビュアー蓮見)これも現場に顔を出されて気軽にお話できる関係づくりができていたからですよね。
普通はそうはいかないでしょうからね。そして勉強会で学んでいたことが目の前で行われていくのを見ているのも楽しかったですね。お、断熱材はいっているなとか、窓がうまくついたなとか。
「じっくり信頼関係が構築できていたからできた。スピード、効率よりも、お互いの満足度が優先方式」
<家のこだわりについて>
お引渡しはいつだったんですか?
2016年5月です。初めて勉強会に参加してからおよそ1年9ヶ月。間に出産があり時間が空いた時期もありますが、建ち始めてからはあっという間でした(着工が2015年の12月)。その間伊藤さんには本当に何回も来てもらっているので、感謝です!(36回でした!)
一番のこだわりってどこになるんでしょう?
『計画換気』ですね。
(インタビュアー蓮見)キッチンとか書斎とかそんな答えを想像していたんですけれど、専門的な答えですね!
24時間回っているんですが、熱交換(注1)の換気装置が入っています。それから断熱や窓のことも。今でも隣に建つ母屋と行き来していますが、自分の家の方に入ると「あ、涼し」って。エアコンを入れてもすぐに効くし。
未だこの家で冬を迎えていないですけれど、このあたりは山の中なので海側とは冬場は気温が3~4度も違ってかなり冷え込み、エアコンの室外機が凍って動かなくなることもあるんですよね。梅雨時の今でも、これまでとの違いを十分感じているぐらいだから冬が楽しみですね。それから、1階から吹き抜けを通して2階を見上げる眺めも好きです。あのアジアンテイストの壁紙は私のセレクトです。間取りについては妻のほうが妥協しなかった(笑)
真弓さんのこだわりってどこですか?
動線と眺めを考慮したぐるっと回れる真ん中の階段ですね。実は、伊藤さんにこの階段の件で図面を7回書きなおしてもらいました!
(CMシステム神奈川 伊藤)ここの件で3ヶ月かかりましたね。
伊藤さんには納得行くまで付き合ってもらって本当に感謝です。でもね本当に使いやすい動線なんですよね。大満足です!
手作りの家具もありますね
実は建てていただいた棟梁さんって、パッと見てものすごく怖そうな雰囲気の方だったんですよ。見た目がですよ(笑)
でも、お仕事が冬休みの時にこどもにつみきセットを作ってきてくださって。それから余った材料でこどものイスや本棚やスリッパ立てもつくってプレゼントしてくださいました。見た目と大違いでしたね(笑)
家づくり自体が楽しいって羨ましい関係です。
もし勉強会に出ていなかったらどんな家ができていたでしょうね。
うーん、間取りだけだったら同じものが作れるかもしれないですけどね。材料や資材を選ぶことはできないですよね。きっと言われたものが一番いいと思って使ってしまうでしょう。いくつも候補がある中で、自分たちで「これ」と決めて使って家を作っていく、ということはできませんよね。
<最後にこれから家を建てる人に一言お願いします>
人生で一番大きなお金を支払って家族が一生使うものを作るのに、じっくり時間をかけずに選んで決めてしまうのって、逆に不安じゃないですか。CMシステムは一般に比べれば時間がかかりますが、自分たちで満足する家を建てるためには必要な時間だと思います。
南西側 | キャンプ場から |
東側 | リビング |
子供室 | 主寝室から |
インタビュアー蓮見より
君津のお宅を訪ねた日を思い出すと、まず頭に浮かぶのが、笑顔でずっとリラックスされていた三澤さんご夫婦お二人の姿です。家の中の雰囲気が良く、良い空気が流れていたように感じました。「空気」というと捉えようのない漠然とした表現に聞こえますが、これこそがプロの緻密な設計のなせるワザだと思うのです。
吹き抜けの広がり具合やそこへ差し込む光の入り方、歩いた時の通路の幅や手すりの高さ、組み合わせる木の材質の相性。住宅広告を見ると、斬新さや奇抜さを以ってセンスやデザインが語られることが常ですが、目に見えにくい使いやすさや居心地の良さにこそ、設計者の実力が表れるものだと思います。『困ったら伊藤さんに相談(笑)』という信頼関係に至ったのもコミュニケーションを豊富に重ねてきたからでしょう。
三澤さんご夫婦はご自分の家のことを淀みなく説明してくださいました。世間一般の住宅購入に比べれば、施主なのに家の勉強をさせられ、なかなか家造りまで進めてくれないこのCM方式を面倒に感じるかもしれません。
「一生で一番大きなお金を支払って家族が一生使うものを作るのに、じっくり時間をかけない方が逆に不安じゃないですか??」
ご主人のおっしゃった言葉に、私はうなずいていました。
家族の未来像を想像しながら、自分たちの家についてじっくり考える時間は、幸せだったことと思います。取材ご協力ありがとうございました。